Professional テクニカルガイド – N-Log 撮影 –
目次 N-Log について ................................................................ 3 Log とは ..................................................................................................................3 N-Log とは .............................................................................................................3 ● N-Log を使用して撮影するメリット ........................................................4 ● ● N-Log 撮影の方法 ............................................................. 6 N-Log 撮影の準備................
N-Log について ● Log とは Log とは「Logarithm(対数)」のことで、光量を対数関数でデジ タル化したものです。Log はネガフィルムの濃度特性が元になっ ており、より人間の感性に近い露光量の差を表現することが可能 です。これを「Log 曲線」や「Log カーブ」と呼びます。 Log を使用した動画撮影を「Log 撮影」や「Log 記録」などと呼 びます。Log 撮影した動画はポストプロダクションを前提として おり、白とびや黒つぶれが起きやすいシーンでも階調を残した映 像が記録できます。 撮影した動画をポストプロダクション工程でカラーグレーディン グすることで、広いダイナミックレンジによる豊かな階調表現、 色飽和の少ない広い色空間を活かしたハイクオリティーな動画品 質を実現します。 ● N-Log とは N-Log はニコン独自の Log 曲線で、センサーダイナミックレンジ を最大限に活用することを目的とした技術です。シャドウとハイ ライトのバランスに優れ、10 ビットのムービー収録に最適化され ています。 3
N-Log について ● N-Log を使用して撮影するメリット ■白とび、黒つぶれを抑えた動画を撮影可能 屋内と屋外を一緒に撮影するような、明暗差のあるシーンでもハ イライト側およびシャドウ側の階調とびを抑えた撮影が可能です。 N-Log を使用せずに撮影した動 画。明るすぎる部分では白とびを 起こしています。 N-Log を使用して撮影した動画。 コントラストが低く見えますが、 諧調を保って記録されています。 カラーグレーディング処理を行っ た N-Log 動 画。 白 と び も 少 な く なめらかな階調を保っています。 4
■ カラーグレーディングでさまざまな雰囲気に仕上げること が可能 カラーグレーディングを行うことで、下の例のようにひとつの素 材をさまざまな雰囲気に変更できます。カラーグレーディングを 行うには対応する他社製の動画編集用ソフトウェアが必要です。 カラーグレーディング前の素材 5
N-Log 撮影の方法 ● N-Log 撮影の準備 N-Log 撮影を行うには、10 ビットに対応している外部レコーダー をカメラと接続します。HDMI 端子用ケーブルは、Type C のもの を別途お買い求めください。HDMI ケーブルを抜き差しするとき は、必ずカメラの電源を OFF にしてください。 使用する外部機器の端子に合った ケーブルをお使いください。 ● N-Log 撮影の手順 ットアップメニュー 1 [セHDMI ]>[詳細設定] >[出力ビット数]で[10 ビット]を選ぶ • N-Log 撮 影 は 10 ビ ッ ト の場合のみ設定できます。 6 外部レコーダー
ットアップメニュー 2 [セHDMI ]>[詳細設定] >[N-Log/HDR 出力設 定 ] で[N-Log] を 選 ぶ • N-Log 撮影時の動画は外部レコーダーにのみ記録されま す。メモリーカードには記録されません。 3 外部レコーダーの入力設定を HDMI にする 4 動画の撮影を開始する • 詳しくは外部レコーダーの説明書をご覧ください。 • 外部レコーダーと接続している場合、セットアップメ ニュー[HDMI]の[外部記録制御]を[する]に設定 すると、カメラの動画撮影ボタンを押すだけで自動的に 外部レコーダーで記録が開始されます(010)。 • カスタムメニュー c2[半押しタイマー]で設定した時間 が経過すると、画像モニターが自動的に消灯して外部レ コーダーにも映像が送られなくなります。[半押しタイ マー]の設定は、動画を撮影する時間よりも長い時間を 設定するか、[制限なし]にしてください。 • 動画撮影時に、簡易的な階調補正(ビューアシスト)を 適用してカメラの画像モニターに表示することもできま す(011)。 7
N-Log 動画の撮影方法 N-Log 撮影時のご注意 • ISO 感度の下限は ISO 800 になります。 • 高感度(Hi 0.
N-Log 撮影の画像サイズについて 動画の画像サイズやフレームレートによって制限があります。 画像サイズ / フレームレート 3840 × 2160 30p 3840 × 2160 25p 説明 • 画像モニターの文字やアイコンが粗 く表示されます。実際に記録してい る動画には影響ありません。 3840 × 2160 24p • 画角が常に約 90% で記録されます。 1920 × 1080 120p N-Log 撮影できません。 1920 × 1080 100p 1920 × 1080 60p 1920 × 1080 50p 制限なく N-Log 撮影できます。 1920 × 1080 30p 1920 × 1080 25p 1920 × 1080 24p 1920 × 1080 スロー N-Log 撮影できません。 9
N-Log 動画の撮影方法 ● カメラ操作に外部レコーダーを連動させる 外部レコーダーと接続している 場 合、 セ ッ ト ア ッ プ メ ニ ュ ー [HDMI]>[詳細設定]>[外部 記録制御]を[する]に設定する と、カメラの動画撮影ボタンの操 作に連動して外部レコーダーの動 画記録の開始と終了を行えます。 • お使いの外部レコーダーが対応しているかどうかは、外部レコー ダーのメーカーにお問い合わせください。 • [する]に設定すると、カメラの画像モニターにアイコン(動画 記録待機中:A、動画記録中:B)が表示されます。動 画を記録するときは、外部レコーダーの表示などもあわせてご 確認ください。 10
● 簡易的な階調補正を適用した画像を表示さ せる N-Log 撮影する場合、初期設定で はコントラストの低い色で画像モ ニターに表示されます。セットアッ プ メ ニ ュ ー[HDMI]>[ 詳 細 設 定]>[ビューアシスト]を[する] に設定すると、簡易的な階調補正 を適用した動画がカメラの画像モ ニターに表示され、撮影している 動画が確認しやすくなります。 ビューアシスト[する] ビューアシスト[しない] (初期設定) ビューアシスト画像について カメラの画像モニターでの確認用に表示されています。外部 レコーダーに出力している動画には影響ありません。 11
N-Log 動画の撮影方法 ● 基準の露出の設定方法 接続している外部レコーダー によっては、波形モニターを 表 示 で き ま す。18% グ レ ー のカラーチャートを撮影した 場合に、ビデオレベル(IRE) が 35%、10bit コード値(10bit code value)で 372 程度になるように露出を合わせてください。 100 80 60 40 20 0 12
付録 ● N-Log の仕様書について N-Log の技術仕様書(PDF)が次の Web サイトにて公開されて います。 https://downloadcenter.nikonimglib.com/ja/products/539/D780.
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