Administrator Guide
Windows と UNIX または Linux の両方から同じ一連のファイルにアクセスする必要がある場合、複数プロトコルのアクセスを実装
するには、個々のユーザーマッピングルールをセットアップするか、自動ユーザーマッピングを有効にすることが最適な方法です。
所有権とアクセス権は、ユーザーマッピングの設定とファイルアクセスの資格情報に基づいて自動的に変換されます。
NAS ボリュームのファイルセキュリティ方式の変更は、変更後に作成されるファイルおよびディレクトリにのみ影響します。
NAS ボリューム用のシンおよびシックプロビジョニング
NAS プールに適用されるシンプロビジョニング以外に、NAS ボリュームをシンプロビジョニングすることができます。シンプロビ
ジョニングを使用した場合(デフォルト)、Storage Center 上のストレージ容量は、データが NAS ボリュームに物理的に書き込まれ
たときにのみ消費され、NAS ボリュームが最初に割り当てられたときには消費されません。シンプロビジョニングにより、将来の
使用量の増加に対応するために NAS ボリュームをシンプロビジョニングする柔軟性が提供されます。ただし、NAS ボリュームが使
用するストレージ容量が NAS プールに割り当てられているストレージ容量を超える場合があるため、Storage Center 上の利用可能
な容量を監視して、FluidFS クラスタに常に十分な空き容量があることを確認してください。また、NAS ボリューム専用の NAS ボ
リュームの一部(予約容量)を指定することもできます(ほかのボリュームはこの容量を使用できません)。すべての NAS ボリュ
ームの予約容量の合計が、NAS プールの利用可能な容量を超えることはできません。
シンプロビジョニングされた NAS ボリュームからファイルが削除されると、Storage Manager で示される空き容量が増加します。
この空き容量は、SMB 共有または NFS エクスポートのクライアントに対して可視および利用可能な状態です。ただし、SCSI マッ
ピング解除機能を有効にしない限り、Storage Center は NAS プール内で解放された容量を報告しません。
シックプロビジョニングを使用すると、Storage Center 上のストレージ容量を NAS ボリュームに静的に割り当てることができます
(ほかのボリュームがこの領域を使用することはできません)。お使いの環境で NAS ボリューム用に保証された容量を必要とする
場合は、シックプロビジョニングが適しています。
NAS ボリューム容量の管理
FluidFS は、i-node オブジェクトでファイルメタデータを維持します。FluidFS i-node は 4 KB のサイズ(メタデータレプリケーショ
ンの前)で、最大 3.5 KB のファイルデータを格納できます。
新しい仮想ボリュームを作成すると、その一部が i-node 領域として割り当てられます。新しいファイルが作成され、i-node の空き
領域が残っていない場合、ボリュームの追加部分が i-node 領域に割り当てられます。ただし、ファイルが削除される場合、i-node
は空き領域プールに戻されるのではなく、空きマークが付けられます(新しいファイルへの i-node の割り当てを効率的にするため)。
ボリュームの空き領域と i-node の空き領域間の比率が非常に小さくなった場合にのみ、i-node の空き領域はボリュームの空き領域
に戻されます。このような状況が発生した場合、特別なバックグラウンドプロセスが実行されます。これは、比率が内部しきい値
を超えた場合にのみ実行されます。このプロセスは、すべての i-node の空き領域がボリュームの空き領域に戻された後で実行され
ます。
大量の小容量ファイルを特徴とする展開環境では、小容量ファイルの大量削除はボリュームの空き領域の量に完全に反映されませ
ん。たとえば、100 TB のボリュームが 70 TB の小容量ファイル(空き領域が 30 TB)で満たされているときに、そのうちの 50 TB
が削除された場合にも、空き領域はさほど増えません。ただし、ワークロードが小容量ファイル指向のままである限り、システム
は i-node の空き領域を再使用し、ボリュームの空き領域を消費しません。一部の大容量ファイルを作成すると、さらに領域が必要
となり、結果として、i-node の空き領域のかなりの部分がボリュームの空き領域に戻ります。
NAS ボリューム作成の戦略の変更
複数の NAS ボリュームを定義する場合は、さまざまな管理ポリシー(データ削減、データ保護、ファイルセキュリティ方式、クォ
ータなど)をそれぞれのニーズに基づいて適用することができます。
使用環境の要件に基づいた最適な戦略を選択するために、次の要因について検討してください。
• 一般的な要件
• NAS ボリュームを作成、サイズ変更(拡大 / 縮小)、または削除できます。
• 1 つの NAS ボリュームに NFS エクスポート、SMB 共有、または NFS エクスポートと SMB 共有の組み合わせを含めることが
できます。
• NAS ボリュームの最小サイズは 20 MB です(ボリュームがすでに使用されている場合、最小サイズは使用容量か予約容量の
いずれか大きい値を上回る必要があります)。
• ビジネス要件 – 分離または単一 NAS ボリュームの使用について会社またはアプリケーションの要件を考慮する必要がありま
す。NAS ボリュームを使用して、要求に応じて部署にストレージを割り当てることができ、しきい値メカニズムを使用して、割
り当てられた空き容量の終わりに近づくと管理者に通知します。
• データ削減 – 各 NAS ボリュームには、保存されているデータタイプに最適な専用のデータ削減ポリシーを使用することができま
す。
• スナップショット – 各 NAS ボリュームには、保存されているデータタイプの保護に最も適した専用スナップショットスケジュ
ールポリシーを使用することができます。
• セキュリティ方式 – 複数プロトコルの環境では、データを分けて、UNIX/Linux ベースのクライアントに対しては UNIX セキュリ
ティ方式で、Windows ベースのクライアントに対しては NTFS で、NAS ボリュームを定義することが有用な場合があります。こ
FluidFS 管理 385