Owner's manual

テープドライブとライブラリのパフォーマンスに関する考慮事項 105
はじめに
最近はテープドライブの転送速度が向上したため、ホストサーバーとテープドライブが同
じ速度でデータを処理できるかどうかを判断する際に、
RAID
Redundant Array of
Inexpensive [
または
Independent] Disks
)構成やハードドライブの仕様などのホスト側の
多くの要因を考慮する必要があります。ホストサーバーからテープドライブへのスルー
プットを制限する可能性のある一般的な設定と属性については、「ホストのバックアップに
関する一般的な考慮事項」で説明します。
テープライブラリに複数のドライブが設置されているため、複数のテープドライブの潜在
的なスループットに対応するには、ホストの帯域幅を増す必要があります。マルチドライ
ブユニットの潜在的なファイバー制限、および推奨するケーブル設定については、「テープ
ライブラリでマルチドライブを使用する際のパフォーマンスに関する一般的な考慮事項」
で説明します。
ホストのバックアップに関する一般的な考慮事項
本項に挙げる考慮事項は、
SCSI
とストレージエリアネットワーク(
SAN
)の両方のテープ
バックアップ構成に適用されます。
テープドライブとデータに関する考慮事項
パフォーマンスの評価では、次の問題を検討する必要があります。
SCSI
コマンドからのオーバーヘッド。
SCSI
バスに対するコマンドのオーバーヘッドは、ど
SCSI
デバイスに対しても理論上の最高転送速度の達成を妨げる要因になります。この
オーバーヘッドの原因はテープバックアップソフトウェアではありません。ソフトウェア
は、データがテープに書き込まれる速度を測定するだけです。たとえば、ドライブがデー
タを
80 MB/
で処理していても、データ書き込みの速度は
77 MB/
秒でしかないかもし
れません。バックアップソフトウェアが報告する速度は後者です。
テープのブロックサイズ。
ほとんどのテープドライブにとって最適なのは、
64 Kb
のブ
ロックサイズです。ただし、サイズが大きくなってもパフォーマンスは向上しないものの、
一部のバックアップアプリケーションではユーザーがブロックサイズを変更することがで
きます。使用するブロックサイズが
64 Kb
に満たないと、実際にパフォーマンスの低下を
招くことがあります。テープデバイスのブロックサイズを調節する手順については、バッ
クアップソフトウェアの『ユーザーズガイド』を参照してください。
バックアップソフトウェアのバッファサイズ。
バックアップのパフォーマンスを最適にす
るには、バックアップソフトウェアのバッファは可能なかぎり大きくすべきです。一部の
アプリケーションではユーザーがバッファサイズを変更できるため、ドライブとの間でや
り取りされるデータの流れを一定に保つのに役立ち、小さなファイルの場合は特に転送速
度が大幅に向上します。バッファが大きいほど多くのデータを保持でき、ディスクがデー
タの検索に費やす時間が短縮できますが、その反面、メモリと
CPU
のパフォーマンスに影
響を与える場合があります。詳細については、テープバックアップアプリケーションの
『ユーザーズガイド』を参照してください。