Mixing with VST MultiPanner
Cristina Bachmann, Heiko Bischoff, Christina Kaboth, Insa Mingers, Matthias Obrecht, Sabine Pfeifer, Kevin Quarshie, Benjamin Schütte この PDF マニュアルでは、目の不自由な方のための高度なアクセシビリティ機能を提 供しています。このマニュアルは複雑かつ多くの 図が使用されているため、図の説明 は省略されていることをご了承ください。 本書の記載事項は、Steinberg Media Technologies GmbH 社によって予告なしに変更さ れることがあり、同社は記載内容に対する責任を負いません。 本書に掲載されている画面は、すべて操作説明のためのもので、実際の画面と異なる場 合があります。本書で取扱われているソフトウェアは、ライセンス契約に基づいて供与 されるもので、ソフトウェアの複製は、ライセンス契約の範囲内でのみ許可されます (バックアッ プコピー)。 Steinberg Media Technologies GmbH 社の書面による承諾がない限り、目的や形式の如
目次 4 Nuendo での Dolby Atmos® ミキシング 5 5 6 7 Dolby Atmos® 用の設定 9.
Nuendo での Dolby Atmos® ミキシング このマニュアルでは、Nuendo 7.1 で搭載されたプラグイン VST MultiPanner の 説明に加え、Nuendo を使用して Dolby Atmos 用に 3D サラウンドミックスを 作成する方法について説明します。 VST MultiPanner は Dolby Atmos ミックスの制作用に開発されたプラグインで す。Dolby Atmos ミックスは通常、従来のチャンネルベースの 9.1ch ミックス (ベッドと呼ばれる) と、最大 118 個のオーディオオブジェクトを含むオブジェ クトベースのミックスで構成されます。 VST MultiPanner には、Nuendo の『オペレーションマニュアル』に記載され ているサラウンドミキシング機能とパンニング機能に加えて次の機能があり ます。 • 9.1 Dolby Atmos 形式のチャンネルベースベッドミックスが制作可能で す。このスピーカー構成は Dolby Atmos 7.1.
Dolby Atmos® 用の設定 9.1 ベッドミキシング用のバスの設定 9.1 Dolby Atmos オーディオベッドにミキシングするには、9.1 Dolby Atmos 出 力バスに信号をルーティングする必要があります。 VST MultiPanner プラグインでの処理形式は、チャンネルルーティングによっ て異なります。たとえば、モノラルソースチャンネルが 5.1 バスにルーティン グされている場合は、パンナーが 5.1ch モードで機能します。3D サラウンド でのミキシングをするには、ソースチャンネルは 9.1 Dolby Atmos のような、 トップチャンネルスピーカーに対応する出力バスにルーティングする必要が あります。 9.1 Dolby Atmos オーディオベッドにミキシングする場合、次のルールが適用 されます。 • ソースチャンネルは 9.1 Dolby Atmos 出力バスまたは 9.1 Dolby Atmos グ ループチャンネルにルーティングする必要があります。 Dolby Atmos ミ ック ス を正 し くル ー ティ ン グす る ため に、9.
Dolby Atmos® 用の設定 サポートされるチャンネル構成 • モノラルチャンネル、ステレオチャンネル、またはサラウンドチャンネ ルを 9.1 Dolby Atmos バスにルーティングできます。9.1 Dolby Atmos チャンネルを 9.1 Dolby Atmos バスにルーティングした場合、パンニング には MixConvert プラグインが使われます。 • サラウンドのトラックやグループ、バスに使用するプラグインは、対応 するサラウンドチャンネルをサポートしている必要があります。 関連リンク 7 ページの「Dolby Atmos® 対応の MixConvert」 8 ページの「VST MultiPanner」 サポートされるチャンネル構成 VST MultiPanner プラグインは、複数のチャンネル構成に対応しています。 2D チャンネル構成 : • モノラル • ステレオ • LRC • Quadro • 5.0 • 5.1 • 6.0 Cine • 6.0 Music • 6.1 Cine • 6.1 Music • 7.
Dolby Atmos® 用の設定 Dolby Atmos® 対応の MixConvert Dolby Atmos® 対応の MixConvert Nuendo のダウンミックス機能は 9.1 Dolby Atmos へのミキシングにも対応し ています。Control Room のミックスがメインミックスの出力バスと異なる場 合や、信号がチャンネル数の少ない出力バスにルーティングされている場合 は、MixConvert プラグインを使用して信号が自動的に変換されます。 Nuendo の新しい MixConvert プラグインでは、MixConvert の標準の機能に加 え、トップチャンネルとサイドチャンネルをソロまたはミュートにしたり、 トップチャンネルとサイドチャンネルのレベルを調節したりできます。 Dolby Atmos 3D ミキシングの場合、次のダウンミックスルールが適用されま す。 • 9.1 ミックスを 7.1 ミックスに変換した場合、トップチャンネルの信号は 1.
VST MultiPanner VST MultiPanner プラグインには、Dolby Atmos ミックスを作成するためのパ ンニング用追加パラメーターと、新規に 3D パンニングを行なうためのパンエ リアが用意されています。 パンエリアとしては 2D (Top View) パンエリアと 3D (Rear View) パンエリアが あります。 • Rear View が非表示になっている場合は、 「Show/Hide Extended Display」 ( ) をクリックするとどちらのビューも表示されます。 どちらのパンエリアでも、音源は青いパンニングボールとして表示されます。マ ルチチャンネル構成の場合、左フロントチャンネルが黄色のボール、右フロント チャンネルが赤のボールとして表示されます。室内の音源の位置は、パンニング ボールをドラッグして決めることができます。また、パンエリアの下にあるパラ メーターコントロールを操作してオーディオの位置を決めることもできます。 パンナーの処理モードはオーディオチャンネルのルーティングによって決ま ります。オーディオチャンネルを 9.
VST MultiPanner Dolby Atmos® 対応の MixConvert Overview Mode このオプションをオンにすると Top View パンエリアがズームアウトさ れます。 移動制限ボタン マウスを使ってサウンドソースを動かす際に、特定の方向に動きを制限 できます。 補足 これらの制限は 2 つのパンエリアのグラフィック表示にのみ影響しま す。たとえば、「Vertical movements only」をオンにすると、Top View エリアでは Y 軸方向のみ、Rear View エリアでは Z 軸方向のみに移動が制 限されます。 Activate Elevation Pattern 選択したエレベーションパターンのオン / オフを切り替えます。「Select an Elevation Pattern」をクリックするとポップアップメニューからパ ターンを選択できます。 Position left/right channels independently このオプションをオンにすると、左右のフロント入力チャンネルをド ラッグで別々に調節できます。 Top View 部屋を上から
VST MultiPanner Dolby Atmos® 対応の MixConvert スピーカーチャンネルボタン Top View の周囲と Rear View の上にあるスピーカーボタンは出力構成を 表わしています。これらのボタンを使用すると、対応するチャンネルを ソロ、ミュート、または無効にできます。 補足 出力チャンネルのソロとミュートはオートメーション化できません。 Left-Right Pan 音源の X 軸上の位置を設定します。 Rear-Front Pan 音源の Y 軸上の位置を設定します。 Bottom-Top Pan 音源の Z 軸上の位置を設定します。このコントロールを一番右まで動か すと、サウンドはトップスピーカーからのみ出力されます。 Elevation On/Off 高さパラメーターのオン / オフを切り替えます。エレベーションを無効 にした場合、ボトムトップパンニングのオートメーションが設定されて いたとしても、 「Bottom-Top Pan」が一番下に設定されます。 「Elevation On/Off」はオートメーション化することもできます。 Rotate Signal
VST MultiPanner Dolby Atmos® 対応の MixConvert Center Distribution 一部またはすべてのセンター位置の音源を左右のフロントスピーカーに 振り分けます。 補足 「Front Divergence」が 100% に設定された場合、「Center Distribution」 の値は影響を及ぼしません。 Front Divergence サウンドソースをフロント X 軸上に配置した際に使用する減衰カーブを 設定します。 Front/Rear Divergence サウンドソースを Y 軸上に配置した際に使用する減衰カーブを設定しま す。 Rear Divergence サウンドソースをリア X 軸上に配置した際に使用する減衰カーブを設定 します。 Height Divergence サウンドソースを Z 軸上に配置した際に使用する減衰カーブを設定しま す。 Signal Width サウンドソースの水平方向の広がりを設定します。このパラメーターは ステレオまたはマルチチャンネルの出力構成を持つチャンネルにのみ使 用できます。 Signal Depth サウ
VST MultiPanner 小型ビュー 小型ビュー MixConsole とインスペクターでは、VST MultiPanner の小型ビューを使用して 基本的なパンニング操作を実行できます。 小型ビューの操作方法は次のとおりです。 • サラウンドフィールドの信号ソースを動かすには、クリックしてドラッ グします。 • パンニングボールの Z 軸上の位置を調節するには、センタークリックし てドラッグします。 • インスペクターの小型ビューでは、チャンネルをソロ、ミュート、また は無効にすることもできます。 エレベーションパターン エレベーションパターンを使用すると、2D パンエリアでサウンドの位置を設 定する際に、あらかじめ定義されたカーブに高さパラメーターを自動的に追従 させることができます。アクティブなパターンは Rear View パンエリアに表示 されます。 • エレベーションパターンを選択するには、「Select an Elevation Pattern」 をクリックします。 • 選択したパターンをアクティブにするには、 「Activate Elevation Pattern」
VST MultiPanner パンニングとルーティングのルール エレベーションパターンのオートメーションルール • アクティブなエレベーションパターンは「Bottom-Top Pan」のあらゆる オートメーションよりも優先されますが、オートメーション情報はその まま残されます。 • エレベーションを無効にした場合、ボトムトップパンニングのオート メーションが設定されていたとしても、「Bottom-Top Pan」が一番下に 設定されます。「Elevation On/Off」はオートメーション化することもで きます。 パンニングとルーティングのルール オーディオ信号が高さを変えながら室内を移動する場合、複雑なパンロウを設 定すればなめらかにギャップなく移行させることができます。ただし、パンロ ウを設定するとパンニングボールが表示される位置とサウンドソースが聴こ える位置に差が生じる場合があります。 以下のルールが適用されます。 • サウンドソースが表示される位置と聴こえる位置が異なる場合、Top View パンエリアでは、聴こえる位置はグレーの円で表わされ、2 つの位 置の間の距離はグレーの線で表
VST MultiPanner VST MultiPanner のリモートコントロール Yamaha Nuage VST MultiPanner の Dolby Atmos ミキシング機能を Nuage システムからリ モートコントロールするには、「Tools for Nuage V1.
Dolby RMU (Rendering and Mastering Unit) を使用した Dolby Atmos® ミキシング Dolby Atmos のオブジェクトミキシングを行なうには、Dolby RMU と Nuendo PC を接続し、「Nuendo RMU Connector for Dolby Atmos®」を Nuendo PC に インストールする必要があります。 「Nuendo RMU Connector for Dolby Atmos®」がインストールされている場合 は次の機能を利用できます。 • 「Object Mapping」ダイアログで、Dolby RMU への接続を確立し、オー ディオ出力をオブジェクト ID にマッピングすることでオーディオオブ ジェクトを定義できます。 「VST コネクション (VST Connections)」ウィ ンドウで出力バスに接続されたマッピング済みのオーディオ出力は、 オーディオバスとして機能します。 • VST MultiPanner 上でオブジェクトモードが選択可能になり、オブジェク トベースでオーディオをパンニングしたり、オブジェクト
Dolby RMU (Rendering and Mastering Unit) を使用した Dolby Atmos® ミキシング オブジェクトのルーティング オブジェクトの定義 オーディオストリームを Dolby Atmos オブジェクトとして使用する場合は、ま ずオブジェクト ID をオーディオストリームにマッピングする必要がありま す。 Dolby Atmos オブジェクトは、Dolby RMU に送信されるオーディオストリー ムと、パンニング情報を運ぶメタデータストリームで構成されています。オブ ジェクト情報は常にリアルタイムに送信され、RMU でモニタリングと記録が 行なわれます。この機能を使用するには、RMU に送信されるオーディオスト リームがどのオブジェクトと対応するかを定義する必要があります。これは 「Object Mapping」ダイアログで行ないます。 補足 オブジェクトの総数は 118 個です。ただし最初の 10 個のオブジェクトは 9.1 Dolby Atmos ベッド用に予約されており、マッピングからは除外されます。そのた め、9.
Dolby RMU (Rendering and Mastering Unit) を使用した Dolby Atmos® ミキシング オブジェクトのルーティング • オブジェクトをオーディオ出力に手動でマッピングするには、対応する 「Objects」ポップアップメニューをクリックしてオブジェクト ID を選択 します。 補足 • • 9.1 Dolby Atmos バスがお使いのオーディオインターフェースの最 初の 10 個のデバイスポートを使用していない場合は、オブジェク トを手動でマッピングする必要があります。 • オーディオ出力にすでにマッピングされているオブジェクトは、 ポップアップメニューに使用中として表示されます。すでに使用さ れているオブジェクトを選択すると、以前のマッピングが失われま す。 使用できるすべてのオーディオ出力にオブジェクトを自動的にマッピン グするには、「Map All」をクリックします。 補足 • • 最初の 10 個のオブジェクトは 9.
Dolby RMU (Rendering and Mastering Unit) を使用した Dolby Atmos® ミキシング オブジェクトのルーティング 名前フィールドの左の緑色の LED は有効なオブジェクトバスが選択されてい ることを示します。赤い LED は、選択したマルチオブジェクトバスのうち、少 なくとも 1 つの出力バスがマッピングされていないことを示します。マッピン グされていない出力バスを確認するには、マウスポインターを LED に合わせま す。 以下のルールが適用されます。 • 適合するチャンネル構成を持つオブジェクトバスのみ選択できます。た とえば、ステレオチャンネルをオブジェクトとしてパンニングする場合、 ステレオオブジェクトバスにのみチャンネルを接続できます。 • 各オブジェクトバスを同時に使用できるのは、オブジェクトモードの 1 つのチャンネルのパンナーのみです。別のチャンネルのパンナーでその オブジェクトバスが選択されると、パンナーとオブジェクトバスの間の 接続が解除されます。 重要 オブジェクトオーディオを操作する際に予期しない結果が起こらないように、 次のこと
Dolby RMU (Rendering and Mastering Unit) を使用した Dolby Atmos® ミキシング マルチオブジェクトバス マルチオブジェクトバス ステレオバスとマルチチャンネルバスをマルチオブジェクトバスとして使用 できます。 通常、オブジェクトはモノラルでの使用が想定されますが、ステレオバスまた はマルチチャンネルバスを作成し、それらをマルチオブジェクトバスとして使 用することもできます。これにより、Dolby Atmos サラウンドフィールド (5.0 チャンネルのバックグラウンドミックスなど) で、あらかじめパンニングして おいたマルチチャンネル信号を傾けたり回転させたりできます。 補足 • Dolby Atmos システムではサイドスピーカーとトップスピーカーの間の 距離が近いため、マルチチャンネル信号を傾けてパンニングした場合、 いつでも完全に再現できるとは限りません。 • オブジェクトモードには LFE チャンネルがありません。LFE チャンネル を含むサラウンドバス (5.
Dolby RMU (Rendering and Mastering Unit) を使用した Dolby Atmos® ミキシング VST MultiPanner を使用したオブジェクトミキシング • VST MultiPanner をインサートプラグインとして使用している場合はオ ブジェクトモードを使用できません。 • ベッドモードとオブジェクトモードの切り替えをオートメーション化し た場合、センド 8 のバイパスも独自のオートメーショントラックを使用 して自動的にオートメーション化されます。 • ベッドモードとオブジェクトモードの切り替えをオートメーション化し た場合、2 つのモードのパラメーター設定が異なっていれば、モードの変 更によって使用できなくなるパラメーターの既存のオートメーションは そのまま保持されます。 Dolby RMU を使用する場合は次の設定とパラメーターを使用できます。 Bed Mode パンナーをベッドモードに設定します。このモードでは、Dolby Atmos 用にチャンネルベースのベッドミックスを作成できます。 Object Mode パンナーをオブジェクトモードに
Dolby RMU (Rendering and Mastering Unit) を使用した Dolby Atmos® ミキシング VST MultiPanner を使用したオブジェクトミキシング RMU LED 緑色の LED は、Dolby RMU がシステムに接続されていることを示します。 赤い LED は接続されている RMU がないことを示します。 Select Object Zone そのオブジェクトでアクティブにするスピーカーゾーンを設定します。 アクティブなスピーカーゾーンは Top View パンフィールドの周囲に小 さな青い四角形として表示されます。 アクティブなスピーカーゾーンはインスペクターの小型ビューにも表示 されます。 詳細については、Dolby RMU 付属のマニュアルを参照してください。 Speaker Snap 再生中に、確立された場所に最も近いアクティブなスピーカーの位置に オブジェクトオーディオを移動します。 詳細については、Dolby RMU 付属のマニュアルを参照してください。 Object Size オブジェクトの位置およびアクティブなスピーカーに基づいて、オブ