Console File Converter User Guide Rev.5.
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1. はじめに 1.1.
ただし、これらの機種のすべてのバージョンの Firmware や Editor で作成されたデータフォーマット に対応しているわけではありません。対応バージョンに関する最新情報については、ヤマハプロオー ディオウェブサイト(https://www.yamahaproaudio.com/) をご覧ください。 2. コンバート手順 2.1. 手順の概要 あるコンソールで使用していたデータを、異なる機種のコンソールで使用するためには、次のような 3 ステップの作業が必要になります。 Step 1: コンバート元のコンソールファイルを準備する。 Step 2: Console File Converter でコンソールファイルのコンバートを実行する。 Step 3: 生成されたファイルをコンバート先のコンソールや Studio Manager/CL Editor/QL Editor/RIVAGE PM Editor で読み込み、コンバート対象外のパラメーターを設定しなおす。 このセクションでは、これらの作業手順を詳細に解説していきます。 2.2.
2.3. コンバートの実行 Console File Converter を起動し、コンバートを実行します。 画面例 - Step 2a. コンバート元のコンソールファイルを PC にコピーする コンバート元のコンソールファイルを、コンパクトフラッシュや USB メモリーから、コンピュー ター上の任意のフォルダーにコピーしておいてください。 - Step 2b. Console File Converter にてコンバートするファイルを選択する “Open"ボタンを押してコンバート対象のファイルを選択するか、もしくはファイルをドラッグア ンドドロップしてください。 - Step 2c. コンバートするシーン番号の範囲を設定する up/down ボタンで範囲を変更するか、手動で番号を入力します。入力できる範囲は、PM5D、 CL/QL、M7CL、LS9 は 001 から 300 です。RIVAGE PM は 1.00 から 999.99 までですが、他機 種に変換するとシーンがストアされていない番号をつめて、1 から 300 に入ります。 - Step 2d.
2.4. コンバート先のコンソールでの再設定作業 コンバーターによって生成されたコンソールファイルを実際にコンソールで読み込んでみると、 Patch や Word Clock などの「コンバート対象外パラメーター」は、デフォルト状態に設定されてい るはずです。実際に運用を始めるためには、それらのパラメーターを再設定する必要があります。 - Step 3a.
3. 資料編 このセクションでは、各種パラメーターが実際にどのようなルールでコンバートされるのか、詳細な 情報をまとめています。 3.1.
*4 コンバート先のチャンネル名は空白、アイコンは空になります。CL/QL ではチャンネルカラーが「Orange」になりま す。チャンネルがペアになっている場合、バランスはセンターに、パンは「L63」と「R63」になります。 *5 RIVAGE PM は変換表の上にあるライブラリーから順に最大 600 個まで変換されます。601 個め以降は変換されないた め、表中の数字は変更可能な番号を表しています。 変換先のライブラリーが READ ONLY の場合、変換されません。 オプション選択時の効果は以下のとおりです。 Option 1: Set Output Channel EQ and Dynamics to default values 出力側の EQ、ダイナミクスパラメーターは、アンプ、スピーカーシステムや会場の特性に依存 していることもあり、エンジニアが別のコンソール、アンプ、スピーカーシステムに移行する場 合でも、コンバートしなくても良い場合があります。 このオプションが選択されると、Mix/Matrix/Stereo/Mono の EQ、ダイナミクスパラメーター はコンバートされず、デフォルト状態の
Option unchecked checked PM5D ST IN 1-4 Fx RTN 1-4 ST IN 1-4 Fx RTN 1-4 M7CL ST IN 1-4 n/a n/a ST IN 1-4 Option 4: Convert between Attenuator and Digital Gain PM5D、M7CL、LS9 にはデジタルゲインがないためアッテネーターをデジタルゲインの代わり に使うことがあります。このオプションは、アッテネーターをデジタルゲインとしてコンバート したい場合に有用です。 このオプションが選択されている状態で、CL/QL へコンバートするとアッテネーターがデジタル ゲインに反映されます。 インプットチャンネルライブラリーに関しても、同様の振る舞いになります。 Option unchecked checked PM5D/M7CL/LS9 Attenuator (-) Attenuator (+) Attenuator Attenuator n/a CL/QL Attenuator Digital Gain Attenuator Digi
以降は、機種間のシーン変換の詳細について説明します。 3.2. PM5D と M7CL の間の互換性について 3.2.1. チャンネルマッチング コンバーターは両機種のチャンネルを下表のようにマッチングさせてコンバートを行ないます。 Input 1-48 ST IN 1-4 Fx RTN 1-4 Stereo A Stereo B Mix 1-16 Mix 17-24 Matrix 1-8 Effect 1-4 GEQ 1-12 DCA 1-8 3.2.2.
*Notes 1) チャンネルネームは最初の 4 文字のみが再現されます。 2) Input チャンネルのダイナミクスパラメーターは、PM5D と M7CL の双方が実現できる構成の場 合のみ、再現されます。たとえば、PM5D から M7CL へコンバートする場合、PM5D における Gate、Compressor モジュールの設定は、常に M7CL の Dynamics1、Dynamics2 に再現されま す。M7CL から PM5D へコンバートする場合、M7CL における Dynamics1 パラメーターは、 Dynamics の Type が Gate、Ducking の場合のみ、PM5D の Gate モジュールに再現されます。 M7CL の Dynamics2 のパラメーターは、Dynamics の Type が Compressor、Compander の場合 のみ、PM5D の Compressor モジュールに再現されます。 PM5D: Gate, M7CL: Dynamics1 Gate PM5D M7CL Gate Ducking Ducking Off Other types P
Input to Stereo & Input to Mix: Pan/Balance -ST IN/Fx RTN PM5D M7CL PM5D M7CL Individual/Gang/Inv.
3.2.3.
PM5D M7CL HA library001 Scene library001 Input Patch library001 Scene 001 link link link Output Patch library001 HA library001 Scene library002 Input Patch library001 Scene 002 link link link No edit No edit Output Patch library001 HA library002 Scene library003 Input Patch library002 No edit Scene 003 link link link Output Patch library001 No edit M7CL から PM5D への連続シーン変換の例 この振る舞いは PM5D コンソールでシーンをストアしたときと同じ振る舞いです。HA/Input Patch/Output Patch Library に属するパラメーターが編集されていた場合には、PM5D は自動的に最 小
3.3. PM5D と CL/QL の間の互換性について 3.3.1. チャンネルマッチング コンバーターは両機種のチャンネルを下表のようにマッチングさせてコンバートを行ないます。 PM5D Input 1-48 ST IN 1-4 Fx RTN 1-4 Stereo A Stereo B Mix 1-24 Matrix 1-8 Effect 1-8 GEQ 1-12 DCA 1-8 n/a 3.3.2.
Input Channel Output Channel Surround Surround L,R,C,LFE,Ls,Rs ON Mode Stereo, 5.1 PAN 3.1,6.
Input to Stereo & Input to Mix: Pan/Balance -ST IN/Fx RTN PM5D CL/QL PM5D CL/QL Individual/Gang/Inv.
するため、もし Mute Master をシーンリコールから切り離して手動で操作したい場合には、 Mute Master に対して Recall Safe をかけてください。 11) PM5D から CL/QL へコンバートする場合、PM5D における Effect 1-8 が CL/QL の Effect Rack 1-8 に再現されます。ただし、CL/QL にて使用できないタイプ(De-Esser)が選択されている場 合、コンバート後の CL/QL のシーンデータには Rev-X Hall が展開されバイパスされた状態で再 現されます。 一方、CL/QL から PM5D へコンバートする場合、CL/QL の Effect Rack 1-8 のうち Effect ユニ ットとして使用しているものに限り、それらの設定が PM5D の Effect 1-8 に再現されます。 CL/QL の Effect Rack を GEQ として使用している場合には、その状態は PM5D のシーンには再 現されません。 12) Library link Recall, Recall Safe, Focus & Selecti
3.4. M7CL と LS9 の間の互換性について 3.4.1. チャンネルマッチング コンバーターは両機種のチャンネルを下表のようにマッチングさせてコンバートを行ないます。 M7CL Input 1-48 ST IN 1-4 Stereo Mono Mix 1-16 Matrix 1-8 Effect/GEQ Rack 1-8 DCA 1-8 3.4.2.
*Notes 1) チャンネルネームは最初の 6 文字のみが再現されます。 2) Direct Out ポイントに関しては、コンバート先の機種において同じポイントを選択できない場合 に、適切な設定値に補正されて変換されます。 Direct Out Point -Input Channel M7CL LS9 <凡例> Pre HPF Pre HPF Pre EQ Pre EQ Pre Fader Pre Fader Post On 青い項目名と矢印は設定値がそのまま再現される構成であることを示す オレンジの項目名と矢印はコンバート時に設定値が補正されることを示す 3) Effect に関しては、LS9 で使用できないタイプを除き、相互に再現されます。 下記の Effect タイプが含まれている M7CL のシーンをコンバートする場合、コンバート後の LS9 の シーンデータは、Rev-X Hall が展開されバイパスされた状態で再現されます。 - Comp 276, Comp 276s - Comp 260, Comp 260s - Equalizer 601 - Open Deck 4) Rec
3.5. M7CL と CL/QL の間の互換性について 3.5.1.
*Notes 1) M7CL-32/48 の内蔵 INPUT 端子の HA の設定、もしくは M7CL-48ES に接続された SB168-ES の HA 設定は、CL/QL からコントロールされる Rio3224-D/Rio1608-D の HA 設定として再現さ れます。また、M7CL-32/48 の内蔵 ST IN 端子の HA の設定、もしくは M7CL-48ES の OMNI IN 端子の HA の設定は、CL/QL の内蔵 OMNI IN 端子の HA の設定として再現されます。 2) CL/QL では Attenuator に加えて新規に Digital Gain が導入されています。M7CL にて Attenuator を 0dB 以上に設定した場合は、その設定値は CL/QL の Digital Gain として再現され ます。また、CL/QL から M7CL へコンバートする場合、CL/QL の Attenuator と Digital Gain の 加算値が M7CL の Attenuator に反映されます。また、Option 4 を選択すると M7CL の Attenuator は
- CL/QL から M7CL へのコンバート CL/QL における LOW バンドのパラメーター 値が、M7CL の共通設定のパラメーター値に コピーされます。 M7C L CL/QL LOW RATIO ATTACK RELEASE KNEE BYPASS Copy 7) Effect Rack 1-8 にマウントされた GEQ のみが コンバート対象になります。CL/QL の GEQ Rack 1-16 にマウントされた GEQ はコンバートされません。 RATIO ATTACK MID RELEASE KNEE RATIO BYPASSATTACK HI. RELEASE RATIO KNEE ATTACK BYPASS RELEASE KNEE BYPASS 8) Recall Safe & Focus Recall の再現性について “3.
3.6. LS9 と CL/QL の間の互換性について 3.6.1.
*Notes 1) LS9 の内蔵 HA の設定は、CL/QL からコントロールされる Rio3224-D/Rio1608-D の HA 設定と して再現されます。 2) CL/QL では Attenuator に加えて新規に Digital Gain が導入されています。LS9 にて Attenuator を 0dB 以上に設定した場合は、その設定値は CL/QL の Digital Gain として再現されます。また、 CL/QL から LS9 へコンバートする場合、CL/QL の Attenuator と Digital Gain の加算値が LS9 の Attenuator に反映されます。また、Option 4 を選択すると LS9 の Attenuator は CL/QL の DIGITAL GAIN にだけそのままコピーされます。 3) Key in source は下表のようなルールに従って再現されます。 Dynamics Keyin Source –Input Channel LS9 Self Pre EQ CL/QL Self Pre EQ Self Post EQ Self Po
- LS9 から CL/QL へのコンバート LS9 における共通設定のパラメーター値が、 CL/QL における各バンドのパラメーター値に コピーされます。 - CL/QL から LS9 へのコンバート CL/QL における LOW バンドのパラメーター 値が、LS9 の共通設定のパラメーター値にコ ピーされます。 CL/QL LOW LS9 RATIO ATTACK MID RELEASE KNEE RATIO BYPASSATTACK HI. RELEASE RATIO KNEE ATTACK BYPASS RELEASE KNEE BYPASS Copy RATIO ATTACK RELEASE KNEE BYPASS Copy Copy CL/QL LS9 LOW RATIO ATTACK RELEASE KNEE BYPASS Copy RATIO ATTACK MID RELEASE KNEE RATIO BYPASSATTACK HI.
3.7. RIVAGE PM と CL/QL の間の互換性について 3.7.1.
Input Channel Output Channel Direct Out On/Off Pan/Balance On/Off Pick up point Patch On/Off Level Pan/Balance Pre/Post Input to Stereo On/Off ! 7) Input to Mix On/Off Level Pan/Balance Pre/Post Global Mix/Stereo to Matrix ! 16) LCR ! 6) LCR LCR assignment LCR ratio Surround LCR assignment Mode Stereo, 5.1 LCR ratio 3.1, 6.
Input to Stereo & Input to Mix/Matrix: Pan/Balance -Input Channel 1-72 RIVAGE PM CL/QL RIVAGE PM CL/QL Pan mode Pan for Left Ch Pan: Copy Balance mode (Pair) Pan for Right Ch Balance for Left & Right Ch Pan: Copy Pan: L63 Pan: R63 Pan mode (only available mode) Pan mode (no Pair) Pan: Copy Pan: Copy Pan for Left Ch Pan for Right Ch Pan mode 7) RIVAGE PM の Insert 1 とコンバートします。変換先に同じインサートポイントやダイレクトア ウトポイントがない場合は、適切な値に補正されます。 Insert Point -Input Channel Pre Filter RIVAGE PM CL/QL Pre EQ Pre EQ Pre DYN1
先が偶数 Rack のとき Blank になります。CL/QL から RIVAGE PM へコンバートする場合、a1 か ら詰めてマウントされます。ただし、1 行で収まらない場合には次の行へマウントします。 ライブラリー変換の場合、RIVAGE PM から CL/QL へは、下表の番号の小さいライブラリーから 順に、CL/QL の EFFECT ライブラリーの No.028 から空いた番号を詰めて変換されます。CL/QL から RIVAGE PM へは、各ライブラリーにデータが振り分けられ、同じ番号に変換されます。 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 LIBRARY Reverb Early Reflections Gate Reverb Mono Delay Stereo Delay Mod.Delay Delay LCR Echo Chorus Flange No. 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 LIBRARY Symphonic Phaser Auto Pan Tremolo HQ.Pitch Dual Pitch Rotary Ring Mod.
ここでは、Recall Safe や Focus Recall がコンバート結果にどのような影響を与えるのか、例を示し つつ解説します。 凡例 長方形はコンバート対象のコンソールファイル内における、各種データを表しています。黄色の長方 形はカレントデータを表し、水色、オレンジ、黄緑の長方形は Scene 001, 002, 003 を表しています。 それぞれのシーンには Focus Recall の設定が関連付けられています。一番右側の長方形は、シーン によって変化しない、グローバルな Recall Safe の設定を表しています。Focus Recall と Recall Safe の図において、白い部分はリコールされ、グレーの部分はリコールから除外されることを表していま す。 Scene 001 Scene 002 Scene 003 Focus Focus Focus Recall Safe Safe Current ALL Focus ALL 1.
Focus Recall Safe Focus Previous Result Recall Safe Scene 002 Result Scene 002 Conversion = Recall process in source console Destination console 4.