M350 デュアル・エンジン・プロセッサー ユーザーマニュアル
安全のために 正三角形に括られた矢印付きの落雷マークは、 正三角形に括られた「!」サインは、本体の 人体に対して電気ショックを与えうる、危険 使用上、あるいはサービス/メンテナンス上 な高電圧の絶縁されていない部品が本体内部 で、重要な情報が製品に同梱の書類に含まれ に配置されていることを示します。 ていることを示します。 1 必ずお読みください。 警告! 2 この書類は手の届くところに保管してください。 • 3 全ての警告をお守りください。 4 全ての指示に従ってください。 でください。電気ショック、あるいは火事等の恐れ 5 本機を水気の近くで使用しないでください。 があります。 6 本体の手入れは、乾いた布で乾拭きしてください。 • 7 通風に必要となる本体の開口部は塞がないでくださ • 避け、花瓶等液体の入った物を本体の上に置かない い。本体の設置は、製造者の指示に従ってください。 8 ラジエーター、ヒート・レジスター、ストーブ、音 • 製品に同梱されているのと同様の、アース付 3 芯の 適切な電源ケーブルとプラグ形状・動作電圧は地域 に
海外準拠規格に基づく記載 EMC / EMI This equipment has been tested and found to comply with the limits for a Class B digital device, pursuant to part 15 of the FCC rules. These limits are designed to provide reasonable protection against harmful interference in residential installations. This equipment generates, uses and can radiate radio frequency energy and, if not installed and used in accordance with the instructions, may cause harmful interference to radio communications.
目次 イントロダクション 目次 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .3 エフェクト ディレイ/エフェクト はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .5 Dynamic Delay - ダイナミック・ディレイ . . . . . . .24 フロントパネル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .6 Studio Delay - スタジオ・ディレイ . . . . . . . . . . . .24 リアパネル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .8 Triplets Delay - トリプレット・ディレイ . . . . . . . .24 シグナルフロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
クイックスタート M350 デュアル・エフェクト・プロセッサーのエフェク トをすぐにでも使用したい場合は、まず本クイックガイ ドの手順に従って設定を行ってください。 • M350 を開梱し、運搬等による破損がないことをご 確認ください。 • 本マニュアル「安全のために」をご一読ください。 • ユーザー登録をお済ませください。登録は、 www.tcelectronic.
はじめに この度は TC エレクトロニック M350 デュアル・エフェクト・プロセッサーをご購入いただき、誠にありがとうござい ます。 M350 は、ライブとスタジオ用途に適した、ユーザーフレンドリーなデュアル・エンジン・ラック・プロ セッサーで、 15 種類の高品位なリバーブと、ディレイ/モジュレーション/ディエッサー/コンプレッサーを含む 15 種類の汎用エフェクトを搭載しています。ツマミで直接設定を変更できるため、ライブの場面で素早い操作を 可能とします。高密度な 24 ビット処理と AD/DA コンバーターを搭載することにより、TC の透明感あふれるリバーブ とエフェクト・アルゴリズムを優れた音質で表現します。また、視認性の高いプリセット・ディスプレイ・ MIDI IN/OUT ・グローバル・バイパスを搭載し、 MIDI クロック・テンポ・シンクとタップ・テンポのペダル・コント ロールに対応。。パラメータを素早く調節できる様、 5 つのダイレクト・アクセス・パラメータを装備しています。 100 〜 240VAC の電圧でシームレスに作動するアダプティブ・パワーサプライを内蔵し、かさばる AC アダプタ
フロントパネル INPUT GAIN ツマミ 入力レベルを調節します。 1/L 及び 2/R LED 左右チャンネルの入力レベルを示しま す。各色のレベルは、次の通りです: 緑: -40 dB 黄: -6 dB 赤: -1 dB MIX RATIO ツマミ ウェット音(エフェクト音)とドライ 音(原音)のバランスを調節します。 時計回りに回し切った状態で、100% ウェットとなります。 EFFECT BAL.
フロントパネル REVERB タイプ・セレクタ 15 種類のリバーブ、あるいは OFF から任意の設定を選択できます。 PRE DELAY ツマミ 選択したリバーブのプリディレイ・ タイムを、標準値から相対的に増減 できます。 DECAY TIME ツマミ 選択したリバーブのディケイを、標 準値から相対的に増減できます。 COLOR FILTER ツマミ 選択したリバーブのカラーを、標準 値から相対的に増減できます。 LOAD / HOLD TO STORE ロード/ホールドで保存 このボタンは、2 つの機能を持ちます。 • ボタンを一度押すと、▲▼ボタン で選択された番号のプリセットを ロード(呼び出し)します。 • ボタンをホールド(長押し)する と、設定がプリセットとして保存 されます。 PRESET ON/OFF プリセット・オン/オフ M350 は、2 つのプリセット・モード を搭載しています。 プリセット・オン/オフ・モードを 切り替えると、本体の設定は次の通 りに変わります。 オンからオフ 本体の設定は各ツマミの位置に準じ た設定に変更されます。 オフからオン 本体の設定は各ツマミの位置に
リアパネル ROUTING スイッチ アナログ アナログ デジタル MIDI 入力 S/PDIF In/Out 出力 ジャック ジャック 入出力 (バランス)(バランス) ROUTING - ルーティング・スイッチ Dual Input(デュアル・インプット)と Serial(シリア ル)モードを切り替えます。 Dual Input - デュアル・インプット スイッチが入っている状態です。 フロントパネルの緑 LED が点灯します。 Serial - シリアル スイッチが出ている状態です。 フロントパネルの緑 LED が OFF となります。 このスイッチの詳細については、23 ページ、及び 10 〜 15 ページをご参照ください。 INPUTS - アナログ入力 1/4 インチ標準ジャックを使用します。 モノ入力の場合は、LEFT チャンネルを使用します。 LEFT チャンネルのみを使用時に Dual Input モ ードを選択すると、モノラルの入力はディレイ/ エフェクトとリバーブ両方のエンジンに送られ ます。この状態では、 M350 は出力を共有した 2 台の独立したエフェクト機として扱うことが
シグナルフロー MIDI ケーブル DIN コネクター 5 芯 - オス 180 ° DIN コネクター 5 芯 - オス 180 ° 最長 10m シールドケーブル(3 あるいは 5 ワイヤー) アナログ・ケーブル モノラル - モノラル TIP GND GND TIP アナログ・ケーブル ステレオ TIP RING GND GND RING TIP 9
接続とセットアップ M350 の接続とセットアップ M350 をセットアップする方法は極めてシンプルです。しかしながら、接続と設定を用途に合わせて正しく行うことは、 極めて重要です。セットアップの基本的な手順は、正しい接続をし、リアパネルのスイッチでルーティングを選択、 そしてフロントパネルの MIX ツマミを設定するだけです。以降のページのセットアップ例から、構築したいセット アップ、もしくはそれに近いものを参考に、セットアップを行ってください。 セットアップ例 シグナルフロー 10 デュアル・インプット このセットアップは、ミキサーから 2 系統の AUX セン ドを利用するものです。 M350 の 2 つのエンジンはそれ ぞれ単体のエフェクトとして機能し、出力は同一の端 子を使用します。 • リアパネルの ROUTING ボタンを IN のポジションに 設定し、Dual Input ルーティングを選択します。 • AUX 1 の信号をミキサーから M350 の INPUTS/ LEFT 端子に接続します。 • AUX 2 の信号をミキサーから M350 の INPUTS/ RIGHT 端子に接続
接続とセットアップ セットアップ例 シリアル・セットアップ ディレイ/エフェクト→リバーブの順で、直列に 2 つの エンジンを通ります。ディレイ/エフェクトの出力にリ バーブを足して音場感を出したい場合などに最適です。 以下の説明は代表的な楽器用のライブ・セットアップ の例です。 • リアパネルの ROUTING ボタンを OUT のポジション に設定し、Serial ルーティングを選択します。 • 楽器、または DI ボックスからラインレベルの信号を M350 の入力端子に接続します。モノラル信号を使 用する場合は、LEFT 入力に接続します。 • M350 の左右出力端子をミキサーまたはアンプに接続 します。 • INPUT GAIN ツマミを 12 時の位置に設定します。 • MIX RATIO ツマミを 12 時の位置に設定します。 • EFFECT BAL.
接続とセットアップ セットアップ例 パラレル・セットアップ (アナログ入力のみ) モノラル信号が各エンジンに分岐してから並列に処理され、 1 系統のステレオ出力にまとめられます。 シグナルフロー • リアパネルの ROUTING ボタンを IN のポジションに設 定し、Dual Input ルーティングを選択します。 • AUX 1 の信号をミキサーから M350 の INPUTS/LEFT 端子に接続します。 INPUTS/RIGHT 端子が未接続の場 合は、自動的に LEFT 入力の信号が RIGHT 入力にも分 岐されます。 • M350 の左右出力端子をミキサーのステレオ AUX L/R リターン端子に接続します。 • M350 からドライ音を出力しないために、 MIX ツマミを 完全に WET 側に回します。 • INPUT GAIN と EFFECT BAL.
接続とセットアップ セットアップ例 ギター用のセットアップ ディレイ/エフェクト→リバーブの順で、直列に 2 系統の エンジンを通ります。マルチエフェクトが施された音にリ バーブを足して音場感を出したい場合などに最適です。以 下の説明は代表的なギター用のセットアップ例です。 • リアパネルの ROUTING ボタンを OUT のポジションに 設定し、Serial ルーティングを選択します。 • ギターをプリアンプの入力に接続します。 • プリアンプの出力を M350 の LEFT 入力に、 M350 の LEFT 出力端子をアンプの入力に接続します。エフェク ト・ループ用の端子を搭載しているアンプをご使用の場 合は、アンプのエフェクト・リターン端子に接続します。 • INPUT GAIN、MIX RATIO、EFFECT BAL.
接続とセットアップ デジタル接続で M350 を インサートとして使用する場合 ハードディスク・レコーディング・システムなどの S/PDIF デジタル端子を利用し、インサートとして M350 を活用 する場合のセットアップ例です。ご使用の I/O デバイス に S/PDIF 入出力端子が搭載されている必要があります。 • リアパネルの ROUTING ボタンを OUT に設定し、 Serial ルーティングを選択します。 • M350 の S/PDIF デジタル出力端子を、I/O デバイス の S/PDIF デジタル入力端子に接続します。 • I/O デバイスの S/PDIF デジタル出力端子を、 M350 の S/PDIF デジタル入力端子に接続します。 • I/O デバイスのクロックをマスターとします。この設 定はハードディスク・レコーディング・システム側で 行 い ま す 。 一 般 的 に は 「 Internal Clock」 や 「Internal Sync」「Master」等の名称となりますが、 設定項目はソフトウェアによって異なりますので、 詳細はソフトウェアのマニュアルをご参照ください。
接続とセットアップ デジタル接続で M350 を A/D コンバーターとして 使用する場合 M350 は、ほとんどの低価格帯 I/O デバイスに比べて 高品質な A/D コンバーターを採用しています。ミキサー や楽器からのライン信号を M350 で A/D 変換することに より、お持ちのハードディスク・レコーディング・シス テムに M350 の高品質なデジタル信号を供給することが できます。 M350 のエフェクトを加えた音を出力することもでき ますが、このセットアップの主な目的は、I/O デバイスの A/D コンバーターを、より高品質なもので代用すること にあります。 • リアパネルの ROUTING ボタンを IN のポジションに 設 定 し、 Dual Input ルーティングを選 択 します。 M350 をバイパスの状態でエフェクトは使わずに単体 A/D コンバーターとして活用する場合は、 OUT ポジ ションの Serial ルーティングを使用します。 • ラインレベルのアナログ信号を M350 のアナログ入 力端子に接続します。 • M350 の S/PDIF デジタル出力端子を I/O デバ
INPUT/OUTPUT 入出力設定 INPUT GAIN - インプット・ゲイン INPUT GAIN ツマミは、アナログとデジタルの入力レベ ルをコントロールします。M350 の性能を最大限に活用 するには、入力のレベルを調節することは不可欠です。 点灯/点滅なし デジタル入力は OFF に設定され、アナログ入力端子の 信号が処理されます。この設定では、 44.
INPUT/OUTPUT 入出力設定 MIX RATIO - ミックス・レシオ ドライ(原音)及びウェット音(処理が施された音)の ミックス・バランスを設定します。M350 のルーティン グの設定によって、このツマミは次の機能を持ちます。 Dual Input ルーティング時 ディレイ/エフェクトとリバーブを含む全体のドライと ウェット音のバランスをコントロールします。 Serial ルーティング時 ディレイ/エフェクト部は、選択されているエフェクト の種類によって次の通りのミックス・レシオとなります。 Serial ルーティング時には、コンプレッサー/ディエッ サーは 100% のミックス・レシオに固定されます。 Serial ルーティング時には、コーラス/フランジャー/ フェイザー/トレモロは 50% のミックス・レシオに固 定されます。 Serial ルーティング時には、リバーブとディレイのミッ クス・レベルは、MIX RATIO ツマミで調節します。リバ ーブとディレイ間のミックスを調節するには、EFFECT BAL.
DELAY / EFFECTS DELAY / EFFECTS ディレイ/エフェクト・エンジン エフェクト・セレクター 次の選択肢から、エフェクトのタイプを選択します。 • • • • • • • • • • • • • • Dynamic Delay Studio Delay Triplets Delay Soft Delay PingPong Delay Slapback Delay Smooth Phaser Vintage Phaser Compressor Hard Compressor De-Esser Smooth Chorus Lush Chorus Instrument Flanger • • Tremolo Off ダイナミック・ディレイ スタジオ・ディレイ トリプレット・ディレイ ソフト・ディレイ ピンポン・ディレイ スラップバック・ディレイ フェイザー ヴィンテージ・フェイザー コンプレッサー ハード・コンプレッサー ディエッサー スムーズ・コーラス ラッシュ・コーラス インストゥルメント・ フランジャー トレモロ オフ GAIN REDUCTION - ゲイン・リダクシ
DELAY / EFFECTS De-Esser ディエッサーの適用量をコントロールします。 Compressor ドライブの量をコントロールします。設定が高い程、コ ンプレッサーが強くかかります。スレッショルドが低く なり、同時にメイクアップゲインによる補正が行われま す。 Chorus、Flanger、Phaser、Tremolo テンポを増減し、エフェクトの周期をコントロールし ます。 12 時の設定で、標準的な設定が得られます。 ディレイ/エフェクト・エンジン FEEDBACK/DEPTH(FREQUENCY/RATIO)フィードバック/デプス(周波数/レシオ)ツマミ 選択されたエフェクト・タイプによって、フィードバッ ク量、デプス(深さ)、周波数、レシオのいずれかをコ ントロールします。 エフェクト・タイプ毎にコントロールするパラメータは 次の通りです。 Delay(全種類) フィードバック量 Chorus、Flanger、Phaser、Tremolo デプス(エフェクトの深さ) De-Esser カットする周波数 Compressor コンプレッサーのレシオ(圧縮比率) これらのパラメータに関
REVERB リバーブ・エンジン REVERB - リバーブ・セレクター 次の選択肢から、リバーブのタイプを選択します。 • • • • • • • • • • • • • • • • TC Classic Hall Cathedral Vocal Reverb Live Vocal Hall - Acoustic Drum Ambience Drum Room Ambience Living Room Nearfield Damped Room Silver Plate Gold Plate Vintage Spring Live Stage Off TC クラシック・ホール カテドラル ヴォーカル・リバーブ ライブ・ヴォーカル アコースティック・ホール ドラム・アンビエンス ドラム・ルーム アンビエンス リビングルーム ニアフィールド ダンプド・ルーム シルバー・プレート ゴールド・プレート ヴィンテージ・スプリング ライブ・ステージ オフ 各リバーブ・タイプは、異なる特徴を持っています。全 てのリバーブ・タイプにおける標準値は、PRE DELAY / DECAY TIME / COLOR FIL
プリセット・モード、ディスプレイ、プリセットの呼び出しと保存 ノブ・エディット LED プリセット・モード M350 には、2 種類のプリセット・モードが準備されてい ます。切り替えには PRESET ON/OFF ボタンを使用 します。 プリセット・オン・モード このモードでは、保存されているプリセットを呼び出す ことができます。 プリセット・オン・モードでは、ディスプレイ上に 1 から 99 までの数字が表示されます。 プリセットが保存されていない場所からプリ セットをロードしようとすると、操作は無効と なります。 プリセット・オフ・モード このモードでは、フロントパネル上のツマミの設定通り に音がでます。 プリセット・オフからオンに切り替えると、プリ セット番号が点滅します。プリセットを選択した 時点でモードが切り替わります。プリセットを 選択するには、▲▼ボタンでプリセット番号を 選択した上で、LOAD ボタンを押します。 ディスプレイ EDITED KNOBS - ノブ・エディット LED (プリセット・オン・モード時のみ有効) これらの LED は、フロントパネルに配置された 10 のコ
ファクトリー・プリセット、MIDI、ヴァージョン確認 ファクトリー・プリセット M350 は、一般的に言われる「ファクトリー・プリセッ ト」は搭 載 していません。全 てのコントロールが 12 時の位置に設定されている時に出力される音が、 TC エ レクトロニックによって設定された標準の値となりま す。ディレイ/エフェクト及びリバーブ・セレクターはそ れぞれ 16 種の状態が選択できるため、両方が「OFF」の 状態を除くと 255 の「プリセット」があらかじめ準備さ れていることになります。 MIDI チャンネルの設定 外部 MIDI 機器から M350 のプリセットを呼び出しした り、パラメータをコントロールすることができます。MIDI 情報に正しく応答させるには、送信/受信側双方の MIDI チャンネルを同一に合わせる必要があります。 • PRESET ON/OFF を長押しすると、受信 MIDI チャン ネルが表示されます。 M350 の開梱時、または後述の初期化を行った状態で は、次の様に表示されます。 アプリケーション・ソフトウェアのヴァージョン確認 以下の手順で、本体のアプリケーション・ヴァー
ルーティング ルーティング M350 でいうルーティングとは、搭載している 2 つの エンジンの内部接続順を指します。M350 を最大限に活 用するためには、正しいルーティングを使用することが 非常に重要です。 Serial - シリアル・ルーティング ディレイ/エフェクトとリバーブ・エンジンを直列で使用 します。信号ははじめにマルチエフェクト・エンジンを通 過し、その後リバーブ・エンジンに供給されます。 Parallel - パラレル・ルーティング(アナログ時のみ有効) 単一のモノラル信号に 2 つのエフェクト・エンジンを並 列に並べて使用します。 • リアパネルの ROUTING ボタンを「 IN 」のポジショ ンに設定し、Dual Input ルーティングを選択します。 • モノラル信号を LEFT 入力端子に接続します。 入力されたモノラル信号は 2 つに分岐され、ディレイ/ エフェクト・エンジンとリバーブ・エンジンにそれぞれ 供給されます。 2 つのエフェクト・エンジンは LEFT と RIGHT 両方の出力を共通のアウトプットとして使用し ます。 シグナル・フロー ディレイ/エフェクト・エンジ
ディレイ/エフェクト ディレイ このセクションでは、ディレイ/エフェクト・エンジンの各アルゴリズムと、その操作方法をご説明いたします。 Delay - ディレイ ディレイ - コントロール TIMING - タイミング TIMING ツマミと TAP ボタンの組み合わせでディレ イタイムを指定します。 TAP ボタンでテンポを決定 したら、TIMING ツマミでテンポに対する倍率(0.5 〜 2)を指定します。 FEEDBACK - フィードバック ディレイの反復回数を決定します。ツマミが 12 時の ポジションにある時、TC エレクトロニックの推奨値 で作動します。 TIMING ツマミの使用例 TAP ボタンで、 4 分音符あたり 120BPM のテンポを入 力したとします。 TIMING ツマミが 12 時の位置の時、 ディレイ・タイムは 500ms となります。 TIMING ツマ ミを反時計回りに回しきると、TIMING の倍率は 0.5 の 設定となり、ディレイタイムは 0.
ディレイ/エフェクト Soft Delay - ソフト・ディレイ Soft Delay はディレイ成分の高周波数帯を若干ロールオフ し、音に丸みを与えます。多くの場合、ディレイがより 原音に馴染み、ミックスがよりナチュラルに聴こえます。 P.
ディレイ/エフェクト コンプレッサー/コーラス/フランジャー 一般的なコンプレッサーのパラメータ スレッショルド 入力信号がこのパラメーターで設定された値を超えた時、 下記レシオで定められた比率で信号がコンプレッション されます。 レシオ 音量変化を圧縮する比率を決定します。例えば、レシオ を 4:1 に設定すると、スレッショルドを超えた値 4dB に対して 1dB しか変化しない、ということになります。 Chorus & Flanger コーラス & フランジャー コーラス/フランジャー コントロール TIMING - タイミング TIMING ツマミは、コーラス/ フランジャーのス ピードをコントロールします。 アタック スレッショルドを超えた信号に対して、レシオの値まで 出力を圧縮するまでの時間を設定します。 M350 では、 この値は固定です。 FEEDBACK/DEPTH - フィードバック/デプス FEEDBACK/DEPTH ツマミは、コーラス/フラン ジャー効果の深さをコントロールします。 自動メイクアップ・ゲイン スレッショルドを超えた信号に対して音量の増加を圧縮 するということ
ディレイ/エフェクト Phaser - フェイザー フェイザー/トレモロ Tremolo - トレモロ フェイザー - コントロール トレモロ - コントロール TIMING - タイミング TIMING ツマミは、フェイザーのスピードをコント ロールします。 TIMING - タイミング TIMING ツマミは、トレモロのスピードをコント ロールします。 FEEDBACK/DEPTH - フィードバック/デプス FEEDBACK/DEPTH ツマミは、フェイザー効果の 深さをコントロールします。 FEEDBACK/DEPTH - フィードバック/デプス FEEDBACK/DEPTH ツマミは、トレモロ効果の深さ をコントロールします。 Vintage Phaser - ヴィンテージ・フェイザー ヴィンテージ・フェイザーはコーム・フィルター的な特性 を持つ 4 つのオールパス・フィルターを使用し、原音と 混ぜることにより、特有の空間の揺らぎを形成します。 トレモロは、基本的に LFO によってレベルを変調する 効果です。M350 の搭載するトレモロは「ソフト・トレ モロ」と言われるタイプで
リバーブ M350 は、次のリバーブ・タイプを搭載しています。 • • • • • • • • • • • • • • • • TC Classic Hall Cathedral Vocal Reverb Live Vocal Hall - Acoustic Drum Ambience Drum Room Ambience Living Room Nearfield Damped Room Silver Plate Gold Plate Vintage Spring Live Stage Off TC クラシック・ホール カテドラル ヴォーカル・リバーブ ライブ・ヴォーカル アコースティック・ホール ドラム・アンビエンス ドラム・ルーム アンビエンス リビングルーム ニアフィールド ダンプド・ルーム シルバー・プレート ゴールド・プレート ヴィンテージ・スプリング ライブ・ステージ オフ 全てのリバーブ・タイプは、高品位なリバーブ機をはじめ とする数々の名機を生み出してきた TC エレクトロニック の開発スタッフによってデザイン、ファイン・チュー ニングされています。M350 は、この価格帯では比類の
リバーブ Drum Ambience - ドラム・アンビエンス ドラム収録に使われる一般的な環境をシミュレートしま す。Drum Ambience は、短い反射音を持った 80 年代の アンビエント・ルームを想定しています。 Drum Room - ドラム・ルーム ドラムやパーカッション素材にエレガントな味付けを施し ます。ミディアムサイズの空間で、比較的長く、自然な リバーブ特性をシミュレートします。ソースを完全に生か しながらも、きらびやかやなプレゼンスを加えます。 Ambience - アンビエンス 空間のサイズを決定づける初期反射音に重点を置いたデ ザインです。ドライな素材に部屋の空気感のみを足した い場合などに最適です。「空間のサイズ」と「アンビエ ンス」をキーワードに、様々な設定を試してみてくださ い。 Living Room - リビングルーム 名称通り、比較的小さい空間を想定しています。壁紙や 窓・テーブル等の表面による雑多な反射音と、吸音率の 高いカーペットやソファーなどの素材の組み合せが、特 有のリバーブ特性を形成しています。 Gold Plate - ゴールド・プレート Silver
付録 MIDI インプレメンテーション・チャート DUAL ENGINE PROCESSOR M350 – APRIL 2006 Function Basic Channel Transmitted 1 1-16 Recognized 1 OMNI-1-16 X X Pitch Bend Control Change X X X X X X X O X X X X X X X O Prog Change O O SysEx Common O X X O X X X O X X X X X X X X X X Mode Default Changed Default Messages Altered Note Number Velocity After Touch True Voice Note ON Note OFF Key’s Channel Song Pos Song Sel Tune System real time Clock Aux Messages O:YES X:NO 30 Commands Local ON/OFF All Notes O
付録 MIDI CC チャート、MIDI バルク・ダンプ、本体のリセット MIDI CC チャート MIDI バルク・ダンプ 外部 MIDI 機器からの MIDI CC (コントロール・チェ ンジ)情報で、以下の通りパラメータをコントロールで きます。 この機能を使うことにより、M350 のプリセットに保存 されている内容をシーケンサー等の外部 MIDI 機器に記 録させることができます。 パラメータ In Level Mix Ratio Effect Bal. Digital Input Bypass CC 番号 入力レベル 12 ミックス・レシオ 13 エフェクト・バランス 14 デジタル入力 15 バイパス 81 Delay/Eff. Type Delay/Eff. Off Timing Tap Feedback ディレイ/エフェクト・タイプ ディレイ/エフェクト・オフ タイミング タップ フィードバック 50 82 16 80 17 Rev. Type Rev.
付録 デジタル入出力 コネクター フォーマット サンプルレート 処理遅延 周波数特性 DIO RCA フォン(S/PDIF) S/PDIF(24 ビット)、EIAJ CP-340、IEC 958 44.1 kHz(デジタル入力時には 44.1 kHz / 48 kHz) 0.08 ms @ 48 kHz DC 〜 23.9 kHz ± 0.01 dB @ 48 kHz アナログ入力 コネクター インピーダンス 0 dBFS 到達入力レベル (最大/最小レベル) センシテビティ (@ 12 dB ヘッドルーム) A/D 変換 A/D 変換遅延 ダイナミックレンジ THD 周波数特性 クロストーク -12 dBu 〜 +12 dBu 24 ビット、128 x オーバーサンプリング 0.70 ms / 0.65 ms @ 44.1 kHz / 48 kHz typ < -92 dB、22 Hz 〜 22 kHz typ < -90 dB (0.0032 %) @ 1 kHz、-1 dBFS 20 Hz 〜 20 kHz、+0 /-0.