Setup Guide
Dell Networking W-AP205H アクセスポイント
設置ガイド
Dell Networking W-AP205H アクセスポイントは、ホテルやレストランでの展開やブラ
ンチ展開に適した、高性能のデュアル無線ワイヤレス/有線アクセスポイントです。
このデバイスでは、高性能のワイヤレスモビリティと Gigabit 有線ローカルアクセスが
組み合わされており、寮の部屋やホテルの客室、教室、病院、マルチテナント環境にお
いて、セキュアなネットワークアクセスを提供します。W-AP205H アクセスポイント
は、MIMO (Multiple-Input, Multiple-Output) テクノロジにより、2.4 GHz 802.11n およ
び 5 GHz 802.11n/ac ワイヤレス機能を提供すると同時に、既存の 802.11a/b/g ワイヤレ
スサービスをサポートします。
W-AP205H アクセスポイントは、付属のブラケットを使用して壁用ボックスに取り付け
ることも、AP-205H-MNTR デスクマウントキット (別売 ) を使用して、ブランチオフィ
ス展開向けのデスクマウント型リモートアクセスポイントに変換することもできます。
W-AP205H アクセスポイントは、Dell Networking W-Series コントローラとの組み合わ
せで機能します。
W-AP205H アクセスポイントは、以下の機能を提供します。
デュアルワイヤレストランシーバ
IEEE 802.11a/b/g/n/ac (ワイヤレスアクセスポイント)
IEEE 802.11a/b/g/n/ac (ワイヤレス空気モニター、スペクトルアナライザ)
Dell コントローラを介した一元管理設定およびアップグレード
IEEE 802.3af/at PoE との互換性
PoE 受電 (E0 ポートのみ)/PoE 送電 (E3 ポートのみ) のサポート
一部の USB 周辺機器のサポート
パッケージの内容
W-AP205H アクセスポイント
シングル配線壁用ボックスマウント用ブラケット
#6-32 マシンスクリュー x 2
T8H トルクスセキュリティスクリュー
設置ガイド (本書)
ハードウェアの概要
図 1 AP
の前面
LED
W-AP205H アクセスポイントには前面に 2 つの LED があります。上の LED は、E3
ポート上での PoE 送電を実現する給電装置 (PSE) としての AP のステータスを示しま
す。下の LED は AP の動作ステータスを示します。
コンソールポート
W-AP205H アクセスポイントには、背面にシリアルコンソールポートが装備されてい
ます (図 2)。このポートを使用すると、AP をシリアルターミナルまたはラップトップ
に接続して、ローカルで直接管理することができます。W-AP205H アクセスポイント
の背面にあるこのポートは、4 ピンコネクタでダストカバーが付けられています。
W-AP205H アクセスポイントに対応するシリアルアダプタケーブルオプション
(AP-CBL-SER) が別途販売されています。
図 2 AP
の背面
Ethernet ポート
W-AP205H アクセスポイントには、合計 4 つのアクティブイーサネットポート (E0 〜 E3)
が装備されています。
AP の背面にある E0 ポート (図 2) は、10/100/1000 Base-T (RJ-45) 自動検出 MDI/MDX 有
線ネットワークアップリンク接続ポートです。IEEE 802.3af/802.3at Power over Ethernet
(PoE) をサポートし、PoE Midspan インジェクタなどの給電装置 (PSE) または PoE をサ
ポートするネットワークインターフェイスからの DC 48V ( 定格) を標準の定義済み
Powered Device (PD) として受け入れます。
AP の底面にある E1 〜 E3 ポート ( 図 3) は、10/100/1000 Base-T (RJ-45) 自動検出
MDI/MDX 有線ネットワークダウンリンク接続ポートです。有線接続デバイスに対して
セキュアなネットワーク接続を提供するために使用されます。E3 ポートのみ PoE 送電
機能をサポートし、AP が 802.3at PoE モードで運用されている場合に最大出力 10W を
給電します。
さらに W-AP205H アクセスポイントには、背面にパススルー (PT) ポート (図 2)、底面
に E0/PT ポートが装備されています (図 3)。E0/PT ポートは主にパススルー (PT) ポー
トとして機能します。また、AP 背面の E0 ポートと PT ポートがイーサネットケーブル
( 別売の AP-205H-MNTR デスクマウントキットに付属の AP-CBL-ETH10)
で物理的に
ブリッジされている場合、E0/PT ポートは E0 アップリンクポートとしても機能し、
802.3af/802.3at PoE 電源を受容します。
図 3 AP
の底面
図 4 Gigabit
イーサネットポートピン出力
USB ポート
W-AP205H アクセスポイントには右側面に USB ポートがあります。この USB ポート
は、セルラー方式モデムおよび Bluetooth Low Energy (BLE) ドングルに対応していま
す。有効にすると、USB ポートから最大 5W (1A) を給電できます。
プッシュボタン
W-AP205H アクセスポイントの側面にあるプッシュボタンを使用して、AP を出荷時の
設定にリセットしたり、LED 表示のオン/オフを切り替えたりできます。
AP を出荷時のデフォルト設定にリセットするには:
1. AP の電源をオフにします。
2. クリップの先などの細くとがったものでプッシュボタンを押します。
3. プッシュボタンを押したまま AP の電源をオンにします。5 秒以内にシステムス
テータス LED が点滅します。
4. プッシュボタンを放します。
リセットが完了すると、15 秒以内にシステムステータス LED が再度点滅します。
その後 AP が再起動して、出荷時の設定に戻ります。
システムステータス LED のオン/オフを切り替えるには:
AP の通常動作中に、クリップの先などの細くとがったものでプッシュボタンを押
します。システムステータス LED のオン/オフがすぐに切り替わります。
電源
W-AP205H アクセスポイントには、AC-DC 電源アダプタ (別売の AP-AC-48V36) による
給電を行うための 48V DC 電源コネクタが 1 つあります。
W-AP205H アクセスポイントは PoE 受電機能と PoE 送電機能の両方をサポートしま
す。PoE 受電機能 (PoE-PD) を使用すると、802.3at (推奨) または 802.3af (オプション)
電源から供給される電力を E0 ポートで受けることができます。
802.3at 電源から給電すると、E3 ポートの PoE 送電機能 (PoE-PSE) が有効になり、最大
出力 10W を給電できます。E3 に接続されている Powered Device (PD) が最大出力 10W
の上限を超えようとすると、E3 ポートが一時的に無効になります。無効化されたポー
トは自動的に再有効化されます。
802.3at 電源から給電すると、W-AP205H アクセスポイントの USB ポートも有効にな
り、最大出力 5W を供給できます。
802.3af 電源から給電すると、PoE-PSE および USB の電源はどちらも無効になります。
始める前に
設置前のネットワーク要件
WLAN の計画が完了し、適切な製品および設置場所を決定した後、 AP を展開する前に
Dell コントローラをインストールして、初期設定を行う必要があります。
AP 設置前のチェックリスト
W-AP205H アクセスポイントを設置する前に、以下のコンポーネントが揃っているこ
とを確認してください。
壁用ボックス (配線済み)
ネットワーク端子付き Cat5E UTP ケーブル (壁用ボックスに設置済み)
以下のいずれかの電源装置
IEEE 802.3af 対応の Power over Ethernet (PoE)
Dell AP AC-DC アダプタキット (別売)
ネットワークでプロビジョニングされた Dell コントローラ
AP へのレイヤ 2/3 ネットワーク接続
以下のいずれかのネットワークサービス
Aruba Discovery Protocol (ADP)
“A” レコードのある DNS サーバー
ベンダ固有のオプションのある DHCP サーバー
セットアッププロセスのまとめ
W-AP205H アクセスポイントを設置するには、以下のタスクを記載されている順序で
完了してください。
1. 設置前の接続を確認します。
2. 各 AP の設置場所を特定します。
3. 各 AP を設置します。
4. 設置後の接続を確認します。
5. 各 AP を設定します。
設置前の接続の確認
AP をネットワーク環境に設置する前に、AP の電源を入れた後にコントローラの検出お
よび接続が可能であることを確認してください。ネットワークを正しくセットアップす
るには、以下の条件を満たしている必要があります。
ネットワークに接続したときに各 AP に有効な IP アドレスが割り当てられること
AP がコントローラを検出できること
コントローラの検出および接続の手順については、『Dell Networking W-Series ArubaOS
クイックスタートガイド』を参照してください。
設置場所の特定
W-AP205H アクセスポイントは、別売の Dell 認定ウォールマウントまたはデスクマウン
トキットに固定する必要があります。AP は、アンテナ最大利得が確保しやすいように
イーサネットポートを下に向けて、縦方向に設置する必要があります。Dell VisualRF Plan
ソフトウェアアプリケーションによって生成される AP 設置マップを使用して、適切な
設置場所を決定してください。各設置場所は目的の対象領域の中心に可能な限り近く、
障害物や明白な干渉源のない場所である必要があります。RF 吸収材/反射材/干渉源は RF
プロパゲーションに影響するので、計画フェーズで考慮に入れ、VisualRF 計画で調整す
る必要があります。
識別されていない既知の RF 吸収剤/反射材/干渉源
設置フェーズにおいて現場で既知の RF 吸収材、反射材、および干渉源を識別すること
が重要です。AP を設置場所に固定する際は、これらの要因を考慮に入れてください。
RF 吸収材には、以下のようなものがあります。
セメント/コンクリート: 乾燥する古いコンクリートの場合、RF プロパゲーションが
発生する可能性があります。 新しいコンクリートは保湿性が高いので RF 信号がブ
ロックされます。
自然物: 水槽、噴水、池、および樹木
煉瓦
RF 反射材には、以下のようなものがあります。
鉄製のオブジェクト: フロア間に設置された金属、鉄筋、防火扉、クーラーのダクト、
メッシュ窓、ブラインド、金網タイプのフェンス (間口サイズにより異なります)、
冷蔵庫、ラック、棚、およびファイルキャビネット
AP を 2 つの空調機ダクトの間に設置しないでください。RF 吸収を回避するために、
AP はダクトの下に設置してください。
RF 干渉源には、以下のようなものがあります。
電子レンジおよび 2.4 または 5 GHz 以外のオブジェクト (コードレス電話など)
コールセンターやランチルームで使用されるコードレスヘッドセット
AP の設置
W-AP205H アクセスポイントは、さまざまな壁用電気配線ボックスに取り付けられる
ように設計されています。
1. 既存の壁用データ配線プレートを取り外します (設置済みの場合)。
図 5
ウォールプレートの取り外し
(
米国のシングル配線ボックスの例
)
2. 既存の RJ-45 コネクタがある場合は取り外すか (通常はスナップイン式)、または UTP
ケーブルを切るか抜きます。
3. 短いイーサネットケーブル (別売) を使用して、E0 ポートを RJ-45 コネクタに接続す
るか、またはケーブルに RJ-45 プラグ (別売) を圧着して、E0 ポートに差し込みま
す。PT ポートを使用する場合は、同じ作業を繰り返します。
メモ: W-AP205H アクセスポイントには ArubaOS 6.4.3.0 以降が必要です。
メモ: 内容が違っている場合、不足している場合、または破損している場合
は、サプライヤに連絡してください。必要な場合は、元の梱包資材および
箱を使用して (可能な場合) パッケージを梱包し、サプライヤに返送してく
ださい。
LED
色/状態 意味
システムのステー
タス
オフ AP 電源オフ、または LED が「オフモード」
に移行
オレンジ - 点灯 AP 準備完了、制限モード:
10/100Mbps アップリンクネゴシエーショ
ン完了
非 HT モードのいずれかのラジオ
仮想 AP 無効
オレンジ - 点滅 AP が空気モニター/スペクトルアナライザ
モード
赤 エラー状況
緑 - 点滅 AP 起動中、準備未了
緑 - 点灯 AP 準備完了
PSE のステータス オフ AP 電源オフ、または PoE 機能無効
緑 - 点灯 PoE 電源有効
赤 PoE 電源供給エラーまたは過負荷状況
PSE
システムの
ステータス
注意: 長時間使用すると、W-AP205H アクセスポイントの背面パネルが
熱くなる可能性があります。
メモ: コンソールポートではホットプラグ操作は推奨されません。
メモ: 802.3af モードで運用している場合、USB ポートからは給電されません。
コンソールポート
E0
パススルーポート
1000Base-T Gigabit
イーサネットポート
RJ-45 メス
ピン出力
1
2
3
4
5
6
7
8
スペアペア
スペアペア
スペアペア
スペアペア
ETH Rx+
ETH Rx-
ETH Tx+
ETH Tx-
(PoE (+))
(PoE (+))
(PoE (-))
(PoE (-))
(PoE (-))
(PoE (-))
(PoE (+))
(PoE (+))
電源 制限事項
USB PoE-PSE
DC (AP-AC-48V36)
なし (USB および PoE-PSE が有効)
5W 15.4W
802.3at
なし (USB および PSE-PoE が有効)
5W 10W
802.3af
USB および PoE-PSE が無効 なし なし
メモ: PoE および DC 電源がどちらも有効の場合、W-AP205H アクセスポイン
トはデフォルトで DC 電源を使用します。
注意: FCC の声明: 米国以外のモデルのコントローラに設定されたアクセス
ポイントを米国内で設置すると、機器承認に関する FCC 規制に違反する
ことになります。そのような意図的な違反を行った場合、運用の中断が
FCC によって要求され、罰金が適用されることがあります (47 CFR 1.80)。
注意: EU の声明:
Lower power radio LAN product operating in 2.4 GHz and 5 GHz bands. Please
refer to the Dell Networking W-Series
ArubaOS User Guide for details on
restrictions.
Produit radio basse puissance pour réseau local opérant sur les fréquences
2,4 GHz et 5 GHz. Consultez le Guide de l’utilisateur du logiciel ArubaOS Dell
Networking W-Series pour plus de détails sur les limites d’utilisation.
Niedrigenergie-Funk-LAN-Produkt, das im 2,4-GHz und im 5-GHz-Band arbeitet.
Weitere Informationen bezüglich Einschränkungen finden Sie im Dell Networking
W-Series ArubaOS User Guide.
Prodotto radio LAN a bassa potenza operante nelle bande 2,4 GHz e 5 GHz.
Per informazioni dettagliate sulle limitazioni, vedere la Dell Networking W-Series
ArubaOS User Guide.
メモ: W-AP205H アクセスポイントを設置する前に、「AP 設置前のチェック
リスト」に記載されているアイテムを確認することが重要です。
メモ: W-AP205H アクセスポイントは、政府の要求に基づき、権限のある
ネットワーク管理者だけが設定を変更できるように設計されています。AP
の設定の詳細については、『Dell Networking W-Series ArubaOS クイックス
タートガイド』および『 Dell Networking W-Series ArubaOS ユーザーガイド』
を参照してください。
注意: アクセスポイントは無線伝送デバイスで、政府規制の対象となりま
す。ネットワーク管理者は設定の責任を負い、アクセスポイントの運用
は無線法の規制に準拠する必要があります。特に、アクセスポイントは、
その使用場所に適したチャネル割り当てを使用する必要があります。